前回の記事で、状況と予算から介護サービスを考え、施設を決定しました。
今回は【その3】ということで、
父親に発生したイベントと入所までのやりとりについて
についてお話したいと思います。
前回から続いている老々介護についてのシリーズは以下の予定でお話しています。
- 【その1】父親の認知症の進行と介護認定を取るまでの経緯
- 【その2】どの介護サービスを受けさせるか、状況と予算から考える
- 【その3】父親に発生したイベントと入所までのやりとりについて
施設入所(老健)が決定。契約・入所が完了しました
いろいろ考えたり悩んだりすることが多かったですが、今回お話する父親の入院イベントもあり、予定を前倒しにする形で入所が決定しました。
現在はすでに入所している状態です。これで良かったのかと思うこともありますが、時間がない中で父親の安全で快適な生活、母親の介護疲れに終止符を打ちたい、費用の計算など、かなりハードに動きましたし、急ぎに案件にも丁寧に対応していただいて、いい施設を紹介してもらえたと考えています。
介護申請をするまで
前回、前々回の投稿にある通り、昨年7月頃から父親の認知症が急に進んだことで、母親もパートを辞め、父親の介護に専念することになりました。失禁や近所の見知った家に上がろうとするようなトラブルも増えました。
さらに、年末に目を離した隙に徘徊され、探し回っている間に転倒したようで救急搬送された病院から呼び出しをされるというハプニングも起こり、家で見続けることが難しい状態になりました。
以前より介護保険の申請を勧めてはいましたが、父親の拒否もあり、進められない状態でした。似たような環境の同僚のお話を聞くと、
- 1.役所に介護認定の申請をする(介護保険証の提出)
- 2.自宅に判定員を派遣される(介護認定調査を受ける)
- 3.主治医意見書の依頼(役所から行われる)
- 4.介護認定審査会にかけられる
- 5.要介護度の決定と介護保険証の返送
という段階で行われるとのことで、利用者本人の了解は要らないとことでした。
介護認定を取ってあるけれどサービスを利用していないのと、介護認定を取っていないからサービスを利用できないのとでは、いざという時のバックアップがあるという心の余裕が違います。
とりあえず認定だけでも取っておけば、客観的にどれだけ手間がかかる状態なのかという評価もわかりますし、要介護が取れたら今後スムースに話が進められると思い、昨年の12月に認定を受けることになり、申請をしに行きました。
申請から判定員の派遣まではスムースで、主治医意見書の依頼も役所からなので、特にすることはありませんでした。介護度の決定(審査会)は1月末、介護保険の返送は2月初旬予定とのことでした。
並行して施設入所をお願いすべく、年末から上司の知り合いの経営している老健で話を聞くことにしました。
老人介護保険施設でも長期入所できる
老人介護保険施設(老健)の相談員の方とお話をしました。
一般的に老健とは、日常生活の介助のほか、リハビリを行い、数か月ごとに判定を行って、最終的に在宅復帰を目指すのが本来の姿です。なのであくまで中期の入所施設という印象があります。
ただ、高齢だったり認知症があったりで在宅復帰という目標にどうしても届かない方もいらっしゃるとのことで、そういう方は特別養護老人ホームやグループホームへの移動のほか、長期の間入所をされている方もいらっしゃるとのことでした。
ある程度長期、看取りも考えていたのでこういった受け入れ態勢があるというのは非常に助かります。
介護認定待ちの間に父親におこったハプニング
新年開けてしばらく経ったころ、早朝に外に出た時に段差を踏み外して転倒するというハプニングが起こりました。近所の方に手伝ってもらい、家に入れたものの痛みで動けないとのことで私に連絡がありました。
その日は仕事の途中で電話を受け、大腿骨頸部骨折があるように思うから救急車を呼ぶように指示をして昼休みに病院へ行くと、案の定骨折しており入院が決まりました。
整形外科的には、老人の大腿骨頸部骨折は認知症の進行のリスクが高いため、できるだけ早く手術をしてリハビリもすぐに行います。その方が筋力の低下も少なく、在宅復帰も速くなるからです。
実際のところは、10日間程度の臥床期間に筋力がかなり低下し、歩くことが困難になっているようです。入所中の現在もベッドから転落したり、立ち上がって転倒するなど、立てても歩けないという状態のようで、骨折からほんのひと月程度のことなのに大きな変化で大変驚いています。
この状態では在宅での介護は不可能で、帰宅したその日に玄関から転落するような事故が容易に想像できます。
Covid-19の影響もあり、入院中のお見舞いや面会は全くできず、術後の説明も電話でしたが、このご時世仕方のないことです。ただ、病院スタッフの皆様には大変良くしていただきました。
入院⇒入所の移行をスムースに行うために打ち合わせをする
骨折で入院・手術になったことで、父親には申し訳ないですが、入院からそのまま入所ができればショックも少ないと考え、老健と介護申請中の役所に連絡をしました。今回の入院がなくても夏までには入所を完了させたいと思っていましたが、どうやって連れていくか、かなり悩んでいました。本人が納得しないものを入所させる方法が思いつかなかったのです。
老健の相談員と病院の相談員の間でもやりとりがあるようで、手術後、リハビリ病棟へ転院し、ある程度退院までの余裕ができ、その間に老健に空きができたとのことで、介護認定の結果(要介護度4)を待って退院⇒入所の手続きと打ち合わせを急いで行うことになりました。
父親向けの説明としては、リハビリ病棟からまた別の病棟へ変わると説明し、退院という言葉を使ってもらわないように気を付けていただきました。入所ではなくほかの病棟への移動という説明です。老健から病院まで車でお迎えに来ていただけたので大変助かりました。
退院時も、家族の顔を見てしまうと帰宅できると勘違いしてしまうと考え、顔を合わせずに遠くから見守っていることにしました。
父親に安全で快適な生活を送ってもらうために
今回、たまたま起きたハプニングがあったことで想定よりも入所が早まりましたが、主治医の先生や病院と老健の相談員の方や役所の介護保険課・判定員の皆様のおかげでスムースに入所まで済ますことができました。
このように、予定を前倒しにしなければいけない場合もあると思いますが、そういうときは病院や入所先の相談員さんと連携を取ることで自宅へ戻さずにスムースに退院から入所を行うための提案をしてくれたりします。わたしの場合は、日数が空いてしまうリスクを考え、退院⇒転院(別の病院)⇒入所も考えていましたが、なんとかワンクッションおかずにすみました。
費用面も、母親がかけていた個人年金保険のおかげでなんとか解決しましたが、独身ひとり暮らしの息子が離れた場所の親の介護の手助けをするにあたって、不足分の費用の捻出など、これから先、頭の痛い方もいらっしゃると思います。
老後、「健康」と「お金」はどちらもないと後悔しますが、認知症は頑張ってもなる人はなるし、そうなったときに十分な予算が使える必要があります。健康とお金は積み立てできますが、暴落することもあるのでどちらも十分な備えをしなければいけないと思いました。
父親の心情としては家に帰ることを願っていると思いますが、現実問題として認知症の進行に加えて筋力低下で歩けない(立てるけど足が出ないから転倒しやすい)状態での介護は不可能です。
また、父親のこれからの生活の安全と快適を担保するために老健や特養などの入所型施設への入所は必要だと考えました。入所費用が程度解決できているのであれば選べる選択肢だと思いますし、父親にはおだやかな生活を送ってくれることを願っています。
今は非常事態宣言が発出されており、面会もできませんが、面会ができるようになれば母親を連れて面会に行きたいと思います。
コメント
両学長の動画のコメント欄から拝見いたしました。
私も母が老健におります。
骨折からの入院 → 老健 同じです。
コロナで会えないなぁと心配していましたが、そこは、LINE電話で顔を見ながら週2回5分だけ話せます。
認知はありますが、私たち姉妹の顔はわかり、ありがたいです。
プロに任せる!
一度こういう言葉を伺って、それですっきりしました。
今年の初めから3ヶ月間、私も実家に帰り退所して一緒に暮らしました。
そのときに、姉たちと連携して「もう十分して差し上げたいことはできた」
という思いになるくらい、頑張りました。
ただ、やはり、親っていつまでも元気でいたいと思います。
95才ですが、心の支えになってくれていることは大きいです。
3ヶ月後にまた老健に入ったときに、「そんなことは聞いていない」
と反抗しましたが、翌日には、
「楽しい、お友達がいるから」
というようになりました。
ブログを拝見して、応援しています。
お父様、きっといい方法が出てきます。
お母さまが、お体を休めていただいているうちに、またいいこともあります。
私は何回も泣いたりしましたが、きっと国の方針やいろんな人の助けで、
いい方法が出てきました。
では!
コメントありがとうございます。できることは全てやった上での結論で、肯定的なコメントをいただきとても嬉しく思います。
私の父の場合では、家の外では結構ちゃんとお話できているように見えるため、入所を検討するに当たって、家で面倒を見ないことをいろいろ言われたりしないかとか、一番重要な本人の意思確認が取れない事などが大きな悩みの種になりました。
昔ならいざ知らず、現在の考え方として、特に老々介護となる場合、予算が解決するならば積極的にサービスを利用していくことは、家族の負担軽減と心理的余裕の確保などの面でとても重要なことだと思います。
在宅から入所の間に入院を挟むことができたのは、(父親の不幸を利用するわけではないですが)ワンクッションおいて家族から離れて暮らすいい練習になったと思っています。
今はすっかり入所先にも慣れて、我々のことを若干忘れかけていますが、プロに任せることで父親が快適に暮らせることが一番重要ですので、この選択肢に後悔はしていません。
お互いにいい方向に向かえるといいと思います。ありがとうございました!